切れない糸

2005年7月18日 読書
ISBN:4488012051 単行本 坂木 司 東京創元社 2005/05/30 ¥1,890

 クリーニング屋を舞台に、日常の謎が展開。

 装丁と、前評判、そして極めつけの「サイン本」だったので手に取ってみました。
 まあ、面白いんだろうな、と思ったらこれがもう。

 多くを語らないようで饒舌な文章の妙な生々しさと、登場人物の生き様に何度もほろりとしたり、ほっとさせられたりする。
 主人公がこんなに魅力的な時点で、もう勝ちだ。

 優しすぎるくらいなのに、リアリティが損なわれてないから、心がぽかぽかとするのだな。
 連作短編で、各話が終わるごとにほっと溜息が出た。
 大きな驚きはないけど、ずっと浸っていたい世界。なんだかんだで、こういうのが一番好き。
ISBN:4048736183 単行本 米澤 穂信 角川書店 2005/07 ¥1,680

 古典部の文集「氷菓」が完成するが、ちょっとしたミスで刷りすぎてしまう。
 何とか売りさばこうと奔走する四人四色学園祭。
 かたわら、怪盗十文字が。

 
 相変わらず渋い語り口に浮つく軽妙なキャラクタ達。
 たまらない。
 とはいえ、今回は四人それぞれに視点が与えられているので、少しばかり柔らかい気もする。特に千反田視点は最初、日記かと思ったくらい。

 ばらばらに見える事象が、最終的に謎として結びつき、解決する。それだけではなく、テーマさえも見事一つに重なり作品となるなんて、ミステリの肝である「謎」よりもまずそこに驚いた。
 だからこそ、ミステリ作家というより、青春物の作家として注目されちゃうのだろうけれど。異論はない。
 愚者のエンドロール同様、雄弁には語らないがずしんと来る「動悸」も切なくなる。

 しかし、またこれでしばらく四人ともお別れだと思うと、とても切なくなるなあ。
 まあ、読み返せばいい。次が出るまで。

 興味が出たら、ぜひ「氷菓」「愚者のエンドロール」と辿りましょう。

スネオスゴイ

2005年6月22日
〒150-8681
東京都渋谷郵便局留
スネオヘアー自宅

 ファンレターの宛先らしい。
 郵便局留めだから、あれだけど「孫」宛で届く人みたいだよね。

 しかし、渋谷に住んでるのか。

慟哭

2005年6月22日 読書
ISBN:4488425011 文庫 貫井 徳郎 東京創元社 1999/03 ¥756

 幼女連続殺害事件。警察内部。平行して或る男が宗教へはまっていく。二つのエピソードが、かみ合う?

 新興宗教が上手く表現されてるなあ、とは思いつつも、後半の「ビジネスとしての宗教」の説明はまるで解説書の丸写しみたい。
 はまったのはわかるとして、イコールああまでなるかな、とも首をかしげるよなあ。

 佐伯がなぜあれほど娘に執拗な関心を持っていたのかよくわからないや。自分の生い立ちと重ねたから? にしても弱いと思う。そこが理解できなくて、しかし重要なところで、途中で置いて行かれたような気分になった。
 よく「人間が書けている、書けていない」と言う表現があるけど、この本は間違いなく書けているのだけど、リアリティが無いと言うか。なんだろう。変な気分。

 それでも一気読みさせるに、素晴らしい地の文のテンポは圧倒されて寝不足です。
 貫井さんの本は、もっと読んでみたいな。

星の国のアリス

2005年6月21日 読書
ISBN:4396328915 文庫 田中 啓文 祥伝社 2001/10 ¥400

 だじゃれが無いだって!?

一発ネタ

2005年6月21日
一発ネタ
船橋、西船橋、東船橋、南船橋、そして。

なにか。

2005年6月21日
なにか。
 画像がアップ出来るようになっているなあ。
 テスト!

 レディガーネット嬢である。
 メタルラックにあるのはV-amp2とカポ。

水の迷宮

2005年6月20日 読書
ISBN:433407586X 新書 石持 浅海 光文社 2004/10/20 ¥890

 水族館に、微妙ないたずらがしかけられる。同時に、100万円で金魚を買いませんか? という微妙な脅迫を受ける。奔走する職員達。

 藤岡弘探検隊を思い出す描写が苦手です。
「ここで●●が●●しなければ、●●だったのだ」
 と言う、完全な三人称的な描写なのに、一視点。よくわからない居心地の悪さを覚えつつ、読み進める。

 資料リストにいっぱい水族館に関する本が書いてあるのに、水族館の「魅力」に言及した描写があまり出てこなかったのも不満。人間の描写に筆が行き過ぎて、おざなりになりすぎたところが多い気がする。
 ちょっと飛躍しすぎかな、という論理や推理も首をかしげちゃう。

「BG、あるいは死せるカイニス」が面白かったので、たぶんこの本と私が合わなかっただけに違いない。
 たぶん。
ISBN:409386117X 単行本 市川 拓司 小学館 2003/03 ¥1,575

 雨の季節になったら帰ってきます。
 そんな言葉を残して去った妻。
 残された夫と、子供。その元へ、帰ってくる妻。

 優しい緩やかなテンポの文体が、好き嫌いがわかれるところとは思いますが、私は好きです。
 読書家と自称する人ほど苦手なのでは。
 文学やミステリだけが本じゃないのだよね。こういうのがあっても良いと思う。となんか上から言っているみたいだけど、そんな感じなのだから仕方ない。
 まさに論より証拠、読んでみれば面白い。

 でも、オチはどうなの、と思う。

七回死んだ男

2005年6月15日 読書
ISBN:4062638606 文庫 西澤 保彦 講談社 1998/10 ¥620

 ユーモアミステリーの最高峰と言っても過言ではない。

 一日を何度も反復してしまう少年。
 どれだけ頑張って防ごうとしても、その一日はなぜか毎回祖父が殺されてしまう。

 軽妙なテンポとキャラの良い持ち味。全てがかみ合って物語が出来て、大団円。
 端正で、しかし解説からの言葉を引用すると「変化球」
 至る所に張られた伏線に、騙されないように読み進め、あっさり騙される快感を味わうたびに、マゾじゃないかしらと思う。
 今回はそれがより顕著だった。と言うか「嗚呼……」と声を漏らしてしまうほどに。
 我孫子武丸さんの「殺戮に居たる病」以来の衝撃。

 久々にミステリを読んだな、と言う感じ。大満足。
ISBN:4101457123 文庫 天童 荒太 新潮社 2004/01 ¥500

 タイトルとしては「贈られた手」が一番好きなのだけれど、このお話の中核は何より「祈り」であると思う。
 少しの祈り。本当に少しだけの祈りがみんなの中に在れ、そんな感じ。

 問題のある家庭で次々おこる子供達による心中事件を追う刑事と、児童相談所の職員、そして美術教師の三人を中心に物語は展開していく。それが上手くかみ合って、テーマを語っているのは本当に上手い。
 でも、ちょっと登場人物達が喋りすぎる。実際そんな物なのかも知れないけど、説教くさいといえば、説教くさい。
 全て事実で、全て虚構。何を思えば良いんだろうー。

 読み終わった後、少しだけ優しくなれれば良いと思うのだ。
 長いけど。

次はμだな。

2005年5月12日
 森博嗣タイトル予想。

 それはいいとして。
 思ったのだ。
 僕たちは子供の頃からケーブルに近いところにいるな、と。

 男の子のおもちゃには、何でもかんでもケーブルが付いていた気がする。逆に女の子の道具っていうのはそういうのが少ない。
 ケーブルフェチを自負する私が言うのだから間違いない。

 リモコンっていうのは、人形の背中から生えているものだったし、ファミコンのコントローラーしかり、アダプタしかり。
 ラジコンよりも、リモコンの付いた車と一緒に走り回る方が楽しかったようにも思う。

 ところが今は無線LANだの無線コントローラーだの、ケーブルレスが進んで行っている。
 憂うべき状況だ。XLRケーブルの太さ。BELDENケーブルのあの手触り。みんな忘れちゃ居ないか、無駄なケーブルの使用用途を探すあの楽しさを。

 いつか、ケーブルの無いおもちゃがあふれたとして、ケーブルに興味の無くなった子供たちは、将来どんな大人になるんだろう。
 音楽業界も、危ない。
 ミキサーって、全員ケーブルフェチでしょ。

人気ワード

2005年5月12日
 なんで東西線の駅名が!

 トラックバックされてるなあ、と思ったら、はるか昔に書いた「こんばんわ小倉アリスです」に業者が反応したらしい。
 なんて無差別なんだ。

 そういえば、最近アダルトビデオを見ていない。
 多趣味が売りの私としては、どんな話題にも話を合わせられるようにしなければいけないので、そろそろどこかで会員カードでも作らなければならないのだが、近くに良い店がないのが困りもの。

坊主

2005年5月11日
 坊主頭になってみました。
 買った柄物のシャツがとんでもなく、変な意味で似合うようになってしまいました。

 朝、鏡を見るたびにこいつは誰だと自問自答です。

少年ナイフ

2005年4月23日 音楽
BABYS CD インディペンデントレーベル 2005/03/02 ¥1,500

 元zoophiliaの水谷俊介がヴォーカルギターを勤める3ピースバンド。

 これが格好良くなくて、何を格好良いと言うのか。
 ちょっと軽めのアレンジになって、しかし綺麗なメロディが胸を衝く。
 本当にやりおる。
 いや、よくやってくれた。

 zoophilia解散後、もう活動しないのかな、と時々名前で検索かけるくらい好きだったのだけれど、意外な形で出会えてとても嬉しい。
 あとは、boogiehouseもどうしているのかと不安なのです。

 有能なメロディメーカー達に、愛の手を。
ISBN:4087470598 文庫 村山 由佳 集英社 1999/06 ¥400

 今までの私の読書遍歴を考えると、唐突で、なおかつ異質な本。

 従姉妹と同居する羽目になった男の子が、久しぶりに会う従姉妹にときめいちゃう。
 みたいな、べたべたなお話。

 天童荒太さんや、村上春樹さん、宮部みゆきさんを読む同僚から薦められたので、これは面白いのではないかと思い購入。

 もともと、ジャンプノベルだったらしく、口当たりが軽やか。
 しかし、手抜きの無い描写は読んでいてとても気持ちが良い。
 とはいえだ、恋愛小説なんて読み慣れない私には、なんとも赤面するような場面がいくつも出てきて、まいったと手を挙げるしかないのです。

 なんだかんだで面白く、ボリュームも適度でシリーズを揃えちゃいそうな怖さがあります。
 恋愛小説に慣れた方には素直におすすめできる、けどそんな層がこの日記を読んでいるのかと疑問に思う。
 忙しかったような、忙しくなかったような。

 近況報告です。

 中村一義ブームが、いまだに続いております。
「金字塔」を購入。
 永遠なるものの名曲っぷりに呆れてしまいます。ただ、ちょっとコーラスがきついな。再録しなおさないかなあ。

 バイト先のまかないが美味しいです。
 和食のお店なのに、なぜ冷やし中華や酢豚が?
 おでんが出るらしいとの言葉をきき、かなり楽しみにしつつ、続けられそうです。

 家具を買いました。
 白いデスクに、白い椅子、白い本棚。フローリングに映えるかな、と。デスクには、黒のクロスでも乗っけてみようかしら。
 カーペットの色はどうしよう、と少し悩んでいます。
 デスクが届いたら、ノートパソコンを再インストールして、オール讀物推理新人賞へ向けて、書いていきます。

 個々の人生を不器用に生きる人のお話。
 フィールドワークス。

 本が読む気力がわかないのがつらいな。
 そういえば、いっさい触れてませんでしたが、ルームシェアを始めました。
 ちょくちょく日記にも出てきたR氏と、L女史がメイツでございます。

 本もCDも節約生活になると思われるので、レビュー数ががくんと減ることでしょう。
 まあいいのです、ERAさえあれば、しばらくは暮らしていけます。

 しかし、洗濯機が無くタライで下着を洗う生活というのも稀有な経験です。
 バイト先の同僚に「洗濯機が壊れても大丈夫じゃん」と励まされ、何とか今日もしわすっきりソフランCをそそぎます。

 夕飯はバイト先のまかないがあり、それを食べているので、なかなか栄養価が高い生活です。
 自然薯(ハイグレード山芋)と蛍烏賊のお刺身や、天ぷら、フライ各種と桜ご飯であります。以前より豪華。

 それでもばかすか痩せていきます。
 ジーパンがぶかぶかで穿けたものではない。
 穿くたびにM氏に「やせなよ」と突っ込まれていた黒いズボンも、こぶし一つ入ります。

 服を買う金が無いので、これはこれで問題があるのですが。

今日一日の出来事

2005年3月21日
 仕事中、虚脱ナンパというお話を思いつく。
 海岸で婦女子を軽くナンパ後、レストランで人間の愚かさについて訥々と語り、相手を凄く鬱々とさせて別れる事を繰り返す男達の話。
 すぐに没となる。

 同時に、一週間前もらったメールの返事を書いていない事を思い出し、凄く焦る。近親相姦かどうか訊かれてたんだった!

 よく分からないけど、ギャグボールがむしょうに欲しくなり、アダルトショップに立ち寄ろうかと考えるが、止める。

 バイクで帰る途中、大声で中村一義「ロックンロール」を歌っていると、歩道の人と目があった。滅多に人が通らない道というのは、滅多に人が通らないのであって、人が通ら無い道ではないのだと、何かこう、我思う故に我ありなのだ。

 パツンパツンだったジャージがすとんと落ちてパンツ一丁になる。
 痩せたのか! いえ、ゴムがゆるんできてたようでした。
 しかし、再び体重が九〇台後半から八五キロとなる。
 確変。
ISBN:4889916997 単行本 けら えいこ メディアファクトリー 1999/03 ¥924

 好きだなあ、この人の本。
 でも、昔はギャグマンガとして適当に読み流していたけれど、よく読み直すと、のろけ本なのだともわかった。
 しかし、7年目にしてまだのろけられるのだからすごい。

 果たしてあたしんちで売れっ子になったけらさんの、今の結婚生活がどうなっているのか、気になるところですが、何年目にまた発売されるのか。

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