ISBN:4093877297 単行本 平山 瑞穂 小学館 2007/07/31 ¥1,470

 会社をクビに。恋人にもふられ。無職の男が、知古の縁で頼まれた「株式会社ハピネス計画」の仕事。
 はてはて、どうなりますか。

 そんなあらすじで、てっきり「不幸な人を幸せにしてあげようと奔走する内に、自分の幸せを見つけ……」みたいな感じでストーリーが展開されるかと思ったら、全然違った。

 良い意味で裏切られるのは、本田孝好さんの「正義のミカタ」と同じような感じ。だから、嫌な気分ではないし、むしろ平山さんのデビュー作「ラスマンチャス通信」に雰囲気が近くて大好きだ。

 現実と妄想が入り交じる、というよりは、現実が妄想を引きずるような描写で続き、展開する物語は、飽きず、良い。
 小さなこだわりがかいま見えてにやりとする筆致も素敵。

 ラストの落とし方が少し釈然としないけれど、全体的に面白かった。
 満足。

印象

2007年9月17日
 まあ、専門学校(特にデザイン系)に来ている人間が全部まともだとは思わないけれど、在校生スタッフが学校見学で校舎案内中、友達と会って気安く話し始めるとか、ないよ。
 バイトで金もらってんだろうが。
 学校自体の印象はある程度良かったのだが、全部嫌になった。まあ、大学だろうが、専門学校だろうが、居るには居るんだろうなあ、こういう人種。
 ようは専門学校なんざ自分のやる気だし、交通の便が良いところにしよう、と決めた。良いきっかけではあった。

 で、更新を中断していた間に、進路とか色々決めていたのです。
 小説を書きたいという気持ちは強い。けれど、それと同じくらい、人の作るものって言うのに興味が湧いてきた。
 音楽、絵画、広告、小説。こういった創作物の「なんか良い」の「なんか」を掘り下げてみたいと考えた。

 音楽を形成する、数学的(と俺は思っている)な理論。紙面における黄金比。この二つは似ていると思う。
 でも、そこを壊す不協和音の心地よさ。乱丁のような装幀の格好良さ(それがロック?)。
 ひっくるめて、深く考えてみたいし、作ってみたいと。

 で、なんでグラフィックデザインか、と。
 まあ、本の装幀や、文字組が好きだというのもあるのだけれど、広告や、本という媒体ほど、他者を意識した創作も無いから。
 創作物は、自己表現という面をのぞいて、他者に奉仕しなければいけないと思っているので。

 一から始めることばかりで、しんどいけれど、考えることは嫌いでないし、学校が少しでもそういう意見交換が出来る場であればいいなあ。
ISBN:4150307873 文庫 野尻 抱介 早川書房 2005/03/24 ¥672

 ハードSF、ファーストコンタクト。
 この二つのキーワードで、あらすじもいらないくらい、十分なのです。
 少しでも興味を持てれば、絶対に面白い。

 ファーストコンタクトものは、わくわくして面白い。それが理論的に語られるなら尚更だ。
 太陽の周りに謎のリングが建設され、日照時間の問題が出てくる序盤。こちらの問いかけに対してまるで無頓着な異星人の「知性」を巡る中盤。そして怒濤の終盤。飽きない。

 果たして本当に居たら、どんな具合なのか。読後、物語から抜け出せずそんな事を真剣に考えてしまう朝なのです。
 脳、あるのかなあ。

本を購入

2007年9月14日
 ハードカバーで二冊。

「風の音が聞こえませんか」小笠原慧

 ひっさびさ! サイバーミッション以来だ。
 この人の文体が結構好き。静かで頭の良い感じ。DZ、手のひらの蝶と、雰囲気を嗜む読書に酩酊した覚えがある。
 サイバーミッションはちょっと好みではなかったけれど。今回は得意分野みたいで、楽しみだ。

「株式会社ハピネス計画」平山瑞穂

 ラスマンチャス通信が、とんでもない怪作だったので、次の変化球ラブストーリー「忘れないと誓ったぼくがいた」で、びっくらこき、そして今回もまた作風が読めない。
 この人良いなあ。他の作品も出ているみたいなのだけれど、売ってるところが少ないのが残念。
 設定が好みなので、楽しみな一冊。装幀も素敵。

 読み終わったらまた報告します。

キウイが美味しい

2007年9月13日
 夕飯のあとは、甘い物が食べたくなる。
 とはいえ、昨日は肌寒く、アイスという気分ではない。フルーツが良いな、と考えスーパーへ。

 ブドウ、梨、メロン。高い。
 キウイ。安い。

 そんだけの理由で購入。
 緑色のにくいあいつを、包丁で体半分にして、内臓部分をスプーンで掬い、脊髄にあたる白い部分もざっくり切り取るスプラッタな気分で口へ運ぶ。

 美味い。
 昔食べたときは、酸味のイメージしか無かったけれど、酸味がほどよく、甘みの方が強い。
 一気に食べ終わり、果たしてキウイとはどんな果実なのか検索してみる。

「キウイを食べて勃起力増大!」

 と言うサイトを発見。
 少しまえ、味覚が正常になるなら! と亜鉛のサプリメントを摂ってみたのだが、亜鉛もいわゆるそういう効果があるらしい事を後で知った。デジャヴだ。

 なんか、裏目裏目にでるなあ……まあ、悪くないけどさ。

天の与えしもの

2007年9月12日
 今日、凄い巨乳の人を見た。どでーーん! ゴゴゴゴゴ! という感じで、もうすごかった。
 顔も愛らしい感じの人で、もはや、歩くセックスシンボルである。

 天は二物を与えない、というが、はたして巨乳は一物に入るのだろうか、と哲学的な考えに至る。

 確かに、性的魅力というのを備えれば、子孫を残しやすいだろう。しかし、それが進化の上で有利ならば、みんな巨乳へとなっていくはずである。まあ、確かに数十年前と比べれば育ちは良いのだろうけれど、それにしても、ばらつきがありすぎるような気がする。
 と言うことは、何か別の理由があるのか。

 まったく、巨乳は深いぜ。

wiiの楽しさ

2007年9月10日
 またか、と言わず。

 彼女が遊びに来て、早速wiiを披露する。
 凄い凄いと大はしゃぎである。で、話していると、驚くことに「スーパーマリオブラザーズ」をやったことがないと言う。
 早速、wiiのバーチャルコンソールというシステムで、ファミコンの「マリオ」をダウンロードしてプレイする。

 これが凄い。

 初めてマリオをやる、という希有な存在を眼前にして、そのプレイ姿は筆舌にし難い。
 まず、クリボーを踏み外す。
 土管を超えられない。
 ブロックからコインが出て驚く。
 ゴールの旗の前で呆然。
 敵が出るたびに「どうしよう!」と叫ぶ。

 横で大爆笑をしつつ観賞。いや、鑑賞。

 その後「はじめてのwii」を二人でやってみる。
 コントローラーを傾けたり、振ったりして競争する牛のレースに大はまり。一〇回以上こなす。
 これも、筆舌にし難く、面白い。
 コントローラーを傾けすぎて認識しない。画面への向け方が下手で認識されない。完璧ではない、曖昧さ、つまり欠点が利点になっているというか、ゲームに不慣れな人ほどはまるんじゃないだろうか。

 まあ、ここまでべた褒めしといてなんだけど、最近の知育ゲームブームには辟易しているし、DSやWiiのソフトラインナップは褒められた物ではないと思う。だけど、任天堂という会社の、真摯に新しいことをしようとするスタンス、大好きだ。
 グラフィックが凄いことはもちろん必要だと思う。PS3の物理演算のすごさは新しい可能性を切り開くだろうけれど、それを形にしてソフトとして出す下地が日本にはなく、海外のものになるんだろうなあ。そして、海外製のソフトは360に流れるのだろうし……

 選択肢が広いと思えば、PS3、wii、360とそろったこのご時世、結構良い時代かも知れない。一長一短、競うのをやめようか。

wiiでえろり

2007年9月9日
 最悪のタイトルだ。

 なんか、wiiでインターネットが見られたので、早速アダルトサイトへ行ってみた。
 任天堂のゲーム機で、おっぱいが! おっぱいが!

 凄くいけない気分。

三冊目

2007年9月8日
 さよなら妖精(米澤穂信著)を、文庫本で購入。
 これで、ハードカバー2冊と合わせて三冊目。

 金持ちではない俺だけれど、価値のある物にはちゃんとお金を払おうというスタンスである。
 たとえば、新古店を利用するでも、自分にとって価値のある物は、絶対に中古で買わないようにしている。CDしかり、小説しかり。
 コミックも、気になっているのがあれば、一巻目だけ中古で買って、気に入れば新品で買っていく、など。

 小説、音楽、映画、漫画、すべて血肉となるものなのだから、お金を払わないでどうする、と思う。
 winnyやyoutube、いまだとにこにこ動画とかか、ああいったものにはああいったものの価値がまたあるんだろうけど、最終的に払う物は払うべきだろうな。遵法の精神でいくと、ちょっとややこしくなるが。

 なので、wiiは全部新品で買ってます。中古未使用を買うより、新品を買おうぜ! みんな!
 ゲームに限らんが、そこでお金が回らなくなると、いつかしっぺ返しを喰らうのは、自分か、または子供の世代なんだろうし。
 自然環境と、商業は似ているな。
Video Game 任天堂 2006/12/02 ¥6,800

 もともとGC用に開発されていたように思う。
 そのためか、Wiiコントローラー凄い! とは思わないけれど、右手で剣を操り、ぬんちゃくを振って回転切り! なんかの操作は面白い。
 弓を射抜くときも、すきっとする。コントローラー自体にスピーカーを仕込むとは考えたもんだ。
 まあ、そのぶん少し操作は複雑。

 ゲーム内容は、時のオカリナの正当な進化と思う。
 けれど、自由度が低く、ゼルダにしては珍しく「やらされている」感が強い。
 早く自由にいろいろなところへ行って、箱庭を楽しみたいのに。

 といいつつも、プレイ時間が二日で10時間(実質1日)なので、これは面白いのだろう。
 たまらんよ。
 wiiを買って、9時間やってました。
 己の事ながら、馬鹿じゃないか、こいつ、馬鹿じゃないか。

 ゼルダの伝説と、Miiと、スーパーマリオーブラザーズ(ファミコン)で遊んでたら、こんな時間に……
 誰か持っていたら、wiiフレンド登録しましょうよ。
 5022-0527-6014-5806
 たぶん俺のはこれ。

 いやあ、コントローラが一つ変わるだけで、こんなに楽しいもんかね。グラフィックはパソコンゲームに任せておけばいいや。
 楽しみなゲームが多い上に、ピクミンも出来るなんて、時間が足りない。

 って、馬鹿か! 俺は!
 可愛いね……豊田エリー可愛いね。
 アイドルを好きになったことなど今の今まで無かったが

 可愛いね……
 何というか、ウーパールーパーというか、魚類的なところが、とても素敵だ。

 俺の素直なほめ方はどうも人に嫌われる事が多い。
「君の顔は、奇跡のバランスでなりたっているよ!」
 とか「化粧してもしなくてもかわんないよ」とか。
 褒めてるつもりなのに、ぶん殴られる。

 まあでも、豊田エリーは可愛い。

ボトルネック

2007年9月3日 読書
ISBN:4103014717 単行本 米澤 穂信 新潮社 2006/08/30 ¥1,470

 岬で好きな女の子を亡くした男の子が、弔いにその岬へ出向く。
 そこで風にあおられ、自分も奈落へ。
 気づくとそこは「自分が生まれなかった世界」だった。

「さよなら妖精」より、洗練された読後感の悪さが、素晴らしい。

 凄い褒め言葉だなあ、と自分で感心してしまう。いやでも、本当に素晴らしい。三回も読み返してしまった。

 暗く美しいというか、帯の文句通り、青春は「痛い」のだ。自分が生まれなかった世界で(ごにょごにょ)だったら(ごにょごにょ)である。
 それが、ライトノベル調の語り口で語られる、そんなアヴァンギャルドな感覚がたまらない。
 ミステリと言うよりは、純文学の亜種といった具合に思えた。だって、謎よりも、人間を考察している。

 オススメ。
くるり CD Viictor Entertainment,Inc.(V)(M) 2007/06/27 ¥3,045

 今更だけれども。この作品は素敵である。
 コーネリアスを聞くときも、最初は全体の印象を聴いて、二度目はギター、三度目はベース、四度目はドラム、とそれぞれの楽器が作る和音や旋律を楽しむ。

 このワルツを踊れも、そういう楽しみ方が出来る。
 しかも、ストリングスとベースの絡み方、ギターとストリングスの絡み方、拍子、楽しむところが多すぎる。
 メロディの良さも相まって、途中で「もういいやー」と頭で楽しむのをやめ、音に身を任せてしまう。
 これがたぶん、人間本来だ。

 こういう作品が、もっと無いことが不思議だ。何億という市場なのに……

 音が楽しいのでオススメ。
 批評でも何でもなく、感想。

インシテミル・米澤穂信

 装幀がよろしくない。内容をまるで表していない(イラストが西島さんだということで、現したつもりなのか)。
 内容は濃くて面白い。結末を楽しむよりも、展開を楽しむところに妙がある。ミステリなのに。
 ネタバレを覚悟すれば色々挙げられるけれど、しない。
 米澤さんの書くキャラクタは、どこかひねくれていて、良い。
 でも、米澤作品を最初に読むならこれはススメない。

 思えば、氷菓の感想を最初にここで書いてから、だいぶ経つんだなあ。

正義のミカタ・本多孝好

 正義のミカタとなって、学校内の問題を快刀乱麻の大活躍!
 かと思いきや、まさに「正義の味方」であり「正義の見方」な社会的なエンターテイメント。
 快刀乱麻な展開でも面白かっただろうけれど、そこにとどまらない展開に胸がときめいたので、良しです。オススメ。

 ちょっと眠くなってきたんで、下記にはタイトルと「あくまで個人的に」面白かった度合いを簡潔にしめす。

メシアの処方箋・機本伸司
 若干オススメ。最後の方になって、冗長な展開が残念。文句なく面白くはあるけれど。これもハードSFにはいるのかな?
 わくわくした。

からくりアンモラル・森奈津子
 好きな人は読んでいるはず。SFを期待しても裏切られるし、エロを期待しても裏切られるけれど、不思議と読後感は裏切られない。
 イラストと相まって、世界観がすぐ頭に風景として浮かび上がり、良い。

ひとがた流し・北村薫
 なんと「月の砂漠をさばさばと」と通じているとは。
 気づいた瞬間、ぼろぼろ泣けてきてしまった。北村薫さんの日本語は、暖かい。「涙」という言葉を使わない事を「祈り」とするスタンス。見習いたい。

いなかのせんきょ・藤谷治
 文句なく面白い。講談調(?)で進む物語が、なんとも地味ながら一気にひきこまれてしまった。誰が読んでも面白く読めると思う。オススメ。

芥子の花・西條奈加
 金春屋ゴメスの続編。時代劇でありながら、現代劇である不思議な世界観が生き生きしていて、さらに読みやすい。俺みたいな歴史音痴でもとても楽しめた。
 これは良い。シリーズ物はあまり好きじゃないけど、楽しみにしちゃうなあ。

 ちょっと小説から離れて。

おやすみプンプン・浅野いにお
 いにおさんが「本当にやりたかったこと」と言っていただけの事はあり、凝縮された世界だ。ナンセンスぎりぎり、というかかなりナンセンス。それを「良し」としてしまっている自分は、毒されている気がする。
 でも、メッセージ性は今までで一番強いと思うな。

へうげもの・山田芳裕
 まさか、時代物がこんな面白いとは! 戦国に生きたいと思わせるとは! 織田信長がこんな格好良いとは!
 と大興奮してたら、歴史に詳しい友人から「信長、あんな死に方してないよ」と冷静に言われる。
 なんだって!

 疲れた……

凄いお久しぶり

2007年9月3日
 更新すると言っておいてのていたらく! 嘆きの壁に頭でもぶつけるべきだ。

 ということで、久しぶりに更新です。
 やっぱりこのタイトルのブログが一番落ち着きます。
 そして、ダイアリーノートのゆるい機能が大好きです。

 HIT数もなんか凄いな。

 mixiもやってます。みけんで検索すると出るかも知れない。

 まあ、こちらは創作全般について書いていきたいと思います。

sabotage

2006年6月3日
 ラグランジュに似てるね。お久しぶりです。

 彼女のお姉さんに第二子が誕生。
 おめでたやおめでたや。お祝いに、着ると哺乳瓶のようになる産着をプレゼント。哺乳瓶の乳首部分が帽子になってる素敵アイテム。
 アカチャンホンポは楽しいなあ。もう一度行きたい。
 赤ん坊か孫が欲しいです。ください。

 さて、またちょくちょく更新していきます。

永遠なるもの

2006年5月19日
 バイト終わりの電車で、マブイスケをつれた男性が乗ってきた。
 もう、本当まぶい。さらに、その男性もいい男なのだ。最近の若い男というより、柔和な雰囲気を持って、いい男なのだ。
 こういうカップルは見ていて気持ちいいので、ちらちら観察していた。
 すると、席が一つあいたので、彼女を座らせる。その前に彼氏さんが立ってにこにことしている。
 良い。気持ちがよろしいよ。んで、何か会話するのかなー、と思っていると、彼女さんおもむろに手を胸の辺りまで上げる。

 手話だ。
 口を小さく開きながら、笑顔で手を小刻みに動かす。男性はそれに破顔しながら、こちらは普通に口で答えている。たぶん彼女の方は読唇が出来るのだろう。
 なんか、わからないけど胸がキュチっとなる。リコーダーの笛の部分を回す時みたいな音の気持ちになる(きっちょむ)。

 そうだよ、幸せにならないといけない。
 障害があっても、あの二人は電車の中で一番幸せそうだったよ。
 幸せにしなきゃならんぞ、柔和ないい男よ!

さぼってました

2006年5月12日
 いやあ、なんとも爆疲れの日々が続いてまして。
 実家から持ち帰った北村薫さんの「私」シリーズを読み返しております。日本語というのは、かくも美しいものか!

 もうちょっと安定しましたら、また書きつづります。
 ここでキスしてで泣いた。
 声質の好き嫌いは別として、歌が巧いってのはこういう事を言うのだろうなあ。
 第一次東京事変はやっぱり最高だ。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 >

 

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索