作曲

2004年4月29日 趣味
 今日は従兄弟が訪れ、缶詰で一曲作成。それをCDに焼き込みました。
 従兄弟が狙っている女性に書いたラブソングで、タイトルは「ラブソング」
 聞き終わる度にふたりで「くっさー」と爆笑。
 リバーブかけて、イコライザをいじって6時間、完成しました。アコギ一本のはずが、むせぶようなディストーションをかけたソロをいれ、きらめくようなアルペジオを重ね、やりすぎた。
 さらにHYから歌詞をぱくったり、バンプオブチキンからジャケットをぱくったり、アレンジの名前のところに私の父親の名前をいれたり、めちゃくちゃな仕上がり。

 面白かったから良いけれど。
 この一言に集約した一日でした。

硝子のハンマー

2004年4月28日 読書
ISBN:4048735292 単行本 貴志 祐介 角川書店 2004/04/21 ¥1,680

 著者四年ぶりの新刊。
 密室内で殺された、株式上場前の会社の社長。
 唯一殺す機会のあった専務が逮捕されるが、彼は無実を訴える。
 弁護士の純子は彼の無実を信じ、防犯ショップの店長榎本と共に捜査に乗り出す。

 まさに本格ミステリ。
 この本の楽しみ方は、だまされる事にあると思うのです。
 1の「犯行当日」を読みながら「ここが怪しい」と端々を記憶にとどめておいてください。だまされる快感を味わえます。

 トリックは結構ずるい部分もありますが(監視カメラの部分)ほかは途中で漠然と感づけたりもします。
 動機は難しいけれど、推理しながら読むのも、一興です。

 ?が犯行から推理まで。
 ?が、犯行の動機を犯人の視点から追うお話。
 という二部構成。この構成も、これしかない、というくらい巧いです。

 ただ、著者の作品にしては、インパクトが弱い。
 良質な本格ミステリではありますが。
ISBN:4488017037 単行本 米澤 穂信 東京創元社 2004/02 ¥1,575

 一九九一年四月。
 主人公は下校途中、雨宿りをしている黒髪の白人マーヤと出会います。
 異国の少女を介して知る「外側の世界」。主人公は憧憬とも、ジレンマともとれる感情を覚えます。
 マーヤはたびたび主人公達に「謎」を問うてきます。主人公は推理して、適切な言葉を選び答えていきます。
 二ヶ月が過ぎ、マーヤは自分の国へ帰っていきました。
 そして一年後。主人公はどうしても「マーヤがどこに帰ったのか」を知らなければならなくなります。

 二冊買っちゃいました。
 このお話は多面的です。ミステリでもあるし、恋愛小説でもあるし、文学でもある。
「詰め込まれた」わけではなく、それらが渾然一体となって、一つの風味になっています。

 異国の人間が、日本の風習を謎に思う事は、実際ある事でしょう。そして「なぜ?」と聞かれると明確な答えがない事象も多々あります。
 その「なぜ?」を少しふくらました「日常の謎」が所々鏤められ、物語は最後、意外な展開を見せます。

 硬質で比喩を嫌うような読みやすい文章に、ライトノベル寄りのキャラクタ達。
 しかしテーマはどこまでも重く、犯人はまるで見えてきません。

 一つ一つの「日常の謎」は確かにパンチが弱いけれど、それを含めても、心にどっしりと残る作品でした。

注・ファンタジーではなく、現代が舞台です。
  外側の世界、というのは、自分たちの「何も変わらない日常」を円でくくり、その外側という意味。
ISBN:4488017010 単行本 ほしお さなえ 東京創元社 2003/12 ¥1,575

 みんな飛び降りて死んじゃった。なんでだろう。
 中高一貫教育の女子校で、生徒が墜死した。
 生徒の死に関してさまざまな噂が飛び交う中、今度は教師が墜死する。
 その高校教師は、死んだ女子生徒と共に一作の小説を書き上げ、新人賞を受賞していたが、それを辞退していた。
 二人の死を調べる女子生徒は、その作品が盗作だと知る。
 いったい二人の死の真相は。

 夢野久作の「ドグラマグラ」は、一度読むと精神に異常をきたす、なんて言われる奇書です。
 わたしはこの「ヘビイチゴサナトリウム」を読んで、目眩を覚えました。
 境界線が見えないというか、どこからどこまでが真実で、どこからどこまでが「騙し」なのだろう、と。
 正直、いまいち理解出来ていない、というのが感想。複雑に入り組んだ構造をしているから。

 最初はサスペンス風の様相を見せて、後に「密室だと気づく」なんて流れは今まで見たことがありませんでした。
 そういう意味で、面白くはありますし、何か心に残ります。
 この不思議な感じがたまりません。

 うまく理解は出来ていないけれど、好きな本。
 いつか再読したいです。
ISBN:4488017002 単行本 伊坂 幸太郎 東京創元社 2003/11/20 ¥1,575

「一緒に本屋を襲わないか?」
 引っ越して初めて会話を交わした悪魔的な男が、初対面の僕にそう話しかけてきた。
 危うく数十万円の教材を買わされそうになった僕でも、さすがに書店強盗はわけが違う。
 しかし、あれやこれやで承諾してしまうのだった。
 一方で、動物を虐殺する若者グループを目撃してしまった「わたし」は、悪意に巻き込まれていく。

 現在である「僕」と過去である「わたし」の物語が、徐々に絡まり、最後に一つの像が浮かび上がる。
 ミステリは、自動のパズルのよう。もちろん、そんな感動を覚える傑作は少ないのだけれど。

 魅力的な登場人物達が繰り広げる物語は、一見して明るい物だけど、根底にある泥臭さが徐々に鼻に衝いてくる。
 軽いテンポで読ませてくれる文章だけど、読後感は途方もなく重い。
 とはいえ、嫌なものでもなく、ある種、美しさもある。この矛盾も本書の魅力。

 この物語に出る「悪」は、殺人鬼でも異常者でも無い。ただ、悪意を持った若い人間。だけど、それがとても怖い。

発狂する唇

2004年4月28日 映画
 学生の首が切られる事件が発生する。
 容疑者の妹宅には、毎日マスコミが訪れる。
 藁をもつかむ思いで妹は、霊能力者に兄の居場所を突きとめて欲しい、と依頼するが……

 というお話。
 上記の粗筋は序盤にのみ当てはまります。
 この映画は、曲で言えば「サビ」に突入すると、とんでもない化け方をします。
 エログロ、ミュージカル、カンフーアクション、スプラッタ。
 ここまで馬鹿な映画も珍しい。
 詰め込んで詰め込んで、破裂しそうになる寸前で、止めてしまう。そんな終わり方も、妙に合っている。

 人は選ぶけれど、はまれば最高のエンターテイメント作品となるでしょう。

傀儡后

2004年4月27日 読書
ISBN:415208412X 単行本 牧野 修 早川書房 2002/04 ¥1,785
 再読中。
 大阪に隕石が落ちました。落下地点半径六キロは立ち入り禁止です。
 全身がゼリー状になる病気が蔓延。
 病気に罹った彼、彼女らは、最終的に隕石落下地点へ走っていってしまいます。

 というような、お話。
 頭にぴりぴり来るような壊れた文章が心地良いです。
 最初に大風呂敷を広げるお話はよくありますが、徐々に風呂敷が広がっていくさまはお見事。連載らしい設定の変更は多々見られますが、それも気にならない程度。
 イメージの奔流に、翻弄されましょう。

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