ISBN:4048738119 単行本 米澤 穂信 角川書店 2007/10 ¥1,470
傑作短編だ!
手放しで賞賛を!
古典部、折木奉太郎のモットーは「省エネ」
やらなくても良いことはやらない。やらなければならない事は手短に。しかし、好奇心の権化である古典部員、千反田えるによって奉太郎の平穏な日々は少し変化する。
「氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」の、合間合間の出来事を短編として収録。前作を読んでいなくても、一応読めるとは思うけれど、通読した方が、何倍も楽しめるし、読む価値はある作品群。
しかし、こんなレベルの高い短編小説を読んだのはいつぶりだろう。
吹き出して笑い、文章のテンポに舌を巻き、複雑に考え、ミステリに感嘆する、まさに「文学」の楽しさがぎっしり詰まっているエンターテイメントだ。
ライトノベル読者も一般読者も取り込める間口の広い語り口も絶妙。というか、そこが米澤さんの良いところである。
「キャラクタ」と「人間」が書かれている、というか、凄いなあ。まあ、リアリティとかでは無いけど。巧い、と思う。
個人的には「手作りチョコレート事件」と「影法師は独白する」のなんとももやもやとする感じが好き。
「心当たりのあるものは」は日常の謎ミステリの傑作。
ちょっとばかり、米澤作品に思い入れが深いので偏った評価だとは思うけれど、通読してきた読者なら買いな作品。ハードカバーのわりには安いし。
しかし、こうしてみると、本当に「さよなら妖精」は古典部でやるつもりだったんだなあ。途中、橋の描写があるけれど、やっぱりあの橋かな。
傑作短編だ!
手放しで賞賛を!
古典部、折木奉太郎のモットーは「省エネ」
やらなくても良いことはやらない。やらなければならない事は手短に。しかし、好奇心の権化である古典部員、千反田えるによって奉太郎の平穏な日々は少し変化する。
「氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」の、合間合間の出来事を短編として収録。前作を読んでいなくても、一応読めるとは思うけれど、通読した方が、何倍も楽しめるし、読む価値はある作品群。
しかし、こんなレベルの高い短編小説を読んだのはいつぶりだろう。
吹き出して笑い、文章のテンポに舌を巻き、複雑に考え、ミステリに感嘆する、まさに「文学」の楽しさがぎっしり詰まっているエンターテイメントだ。
ライトノベル読者も一般読者も取り込める間口の広い語り口も絶妙。というか、そこが米澤さんの良いところである。
「キャラクタ」と「人間」が書かれている、というか、凄いなあ。まあ、リアリティとかでは無いけど。巧い、と思う。
個人的には「手作りチョコレート事件」と「影法師は独白する」のなんとももやもやとする感じが好き。
「心当たりのあるものは」は日常の謎ミステリの傑作。
ちょっとばかり、米澤作品に思い入れが深いので偏った評価だとは思うけれど、通読してきた読者なら買いな作品。ハードカバーのわりには安いし。
しかし、こうしてみると、本当に「さよなら妖精」は古典部でやるつもりだったんだなあ。途中、橋の描写があるけれど、やっぱりあの橋かな。
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