批評でも何でもなく、感想。

インシテミル・米澤穂信

 装幀がよろしくない。内容をまるで表していない(イラストが西島さんだということで、現したつもりなのか)。
 内容は濃くて面白い。結末を楽しむよりも、展開を楽しむところに妙がある。ミステリなのに。
 ネタバレを覚悟すれば色々挙げられるけれど、しない。
 米澤さんの書くキャラクタは、どこかひねくれていて、良い。
 でも、米澤作品を最初に読むならこれはススメない。

 思えば、氷菓の感想を最初にここで書いてから、だいぶ経つんだなあ。

正義のミカタ・本多孝好

 正義のミカタとなって、学校内の問題を快刀乱麻の大活躍!
 かと思いきや、まさに「正義の味方」であり「正義の見方」な社会的なエンターテイメント。
 快刀乱麻な展開でも面白かっただろうけれど、そこにとどまらない展開に胸がときめいたので、良しです。オススメ。

 ちょっと眠くなってきたんで、下記にはタイトルと「あくまで個人的に」面白かった度合いを簡潔にしめす。

メシアの処方箋・機本伸司
 若干オススメ。最後の方になって、冗長な展開が残念。文句なく面白くはあるけれど。これもハードSFにはいるのかな?
 わくわくした。

からくりアンモラル・森奈津子
 好きな人は読んでいるはず。SFを期待しても裏切られるし、エロを期待しても裏切られるけれど、不思議と読後感は裏切られない。
 イラストと相まって、世界観がすぐ頭に風景として浮かび上がり、良い。

ひとがた流し・北村薫
 なんと「月の砂漠をさばさばと」と通じているとは。
 気づいた瞬間、ぼろぼろ泣けてきてしまった。北村薫さんの日本語は、暖かい。「涙」という言葉を使わない事を「祈り」とするスタンス。見習いたい。

いなかのせんきょ・藤谷治
 文句なく面白い。講談調(?)で進む物語が、なんとも地味ながら一気にひきこまれてしまった。誰が読んでも面白く読めると思う。オススメ。

芥子の花・西條奈加
 金春屋ゴメスの続編。時代劇でありながら、現代劇である不思議な世界観が生き生きしていて、さらに読みやすい。俺みたいな歴史音痴でもとても楽しめた。
 これは良い。シリーズ物はあまり好きじゃないけど、楽しみにしちゃうなあ。

 ちょっと小説から離れて。

おやすみプンプン・浅野いにお
 いにおさんが「本当にやりたかったこと」と言っていただけの事はあり、凝縮された世界だ。ナンセンスぎりぎり、というかかなりナンセンス。それを「良し」としてしまっている自分は、毒されている気がする。
 でも、メッセージ性は今までで一番強いと思うな。

へうげもの・山田芳裕
 まさか、時代物がこんな面白いとは! 戦国に生きたいと思わせるとは! 織田信長がこんな格好良いとは!
 と大興奮してたら、歴史に詳しい友人から「信長、あんな死に方してないよ」と冷静に言われる。
 なんだって!

 疲れた……

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