ISBN:4048736183 単行本 米澤 穂信 角川書店 2005/07 ¥1,680

 古典部の文集「氷菓」が完成するが、ちょっとしたミスで刷りすぎてしまう。
 何とか売りさばこうと奔走する四人四色学園祭。
 かたわら、怪盗十文字が。

 
 相変わらず渋い語り口に浮つく軽妙なキャラクタ達。
 たまらない。
 とはいえ、今回は四人それぞれに視点が与えられているので、少しばかり柔らかい気もする。特に千反田視点は最初、日記かと思ったくらい。

 ばらばらに見える事象が、最終的に謎として結びつき、解決する。それだけではなく、テーマさえも見事一つに重なり作品となるなんて、ミステリの肝である「謎」よりもまずそこに驚いた。
 だからこそ、ミステリ作家というより、青春物の作家として注目されちゃうのだろうけれど。異論はない。
 愚者のエンドロール同様、雄弁には語らないがずしんと来る「動悸」も切なくなる。

 しかし、またこれでしばらく四人ともお別れだと思うと、とても切なくなるなあ。
 まあ、読み返せばいい。次が出るまで。

 興味が出たら、ぜひ「氷菓」「愚者のエンドロール」と辿りましょう。

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