BG、あるいは死せるカイニス
2004年12月13日 読書
ISBN:448801707X 単行本 石持 浅海 東京創元社 2004/11/30 ¥1,680
生まれたとき人はみんな女性であり、優秀な者だけが男性化する不思議な世界観。
そこで、一人の「優秀」な女性が殺される。
不思議な世界観、とは言え舞台は日本だし、すんでいる人間はこの世界と変わらぬ日常で悩んでいたり、煩っていたりするし、違和感が無い。
まずそこが凄い。3、4行目でもう設定の違和感は払拭される。
しかし、謎自体はその「男性化」を主に据えて展開されていきます。
これがまたしびれる。上記の通り、違和感が払拭された世界観があって、その違和感の無い「世界の法則」の通り謎は解決を見せていくのですよ。
嗚呼、この感覚久しぶり。どっぷりその世界に浸る、というこの快感。物語が終わり、世界が閉じるのを嫌う感覚。
読みやすいが軽くない文体で、しかし軽妙に進む物語。
だからこそか、物足りない部分はありますが、面白かった。
ますます、ほかの著作を手に取ってみたくなってきた。
しかしこの人は、もっと長大な作品を書かせたら化けるんじゃないだろうか、と思う。
短編も、このくらいの長編も下手というわけでは無いのだけれど、やっぱり少し「物足りない」のが「勿体ない」のです。
生まれたとき人はみんな女性であり、優秀な者だけが男性化する不思議な世界観。
そこで、一人の「優秀」な女性が殺される。
不思議な世界観、とは言え舞台は日本だし、すんでいる人間はこの世界と変わらぬ日常で悩んでいたり、煩っていたりするし、違和感が無い。
まずそこが凄い。3、4行目でもう設定の違和感は払拭される。
しかし、謎自体はその「男性化」を主に据えて展開されていきます。
これがまたしびれる。上記の通り、違和感が払拭された世界観があって、その違和感の無い「世界の法則」の通り謎は解決を見せていくのですよ。
嗚呼、この感覚久しぶり。どっぷりその世界に浸る、というこの快感。物語が終わり、世界が閉じるのを嫌う感覚。
読みやすいが軽くない文体で、しかし軽妙に進む物語。
だからこそか、物足りない部分はありますが、面白かった。
ますます、ほかの著作を手に取ってみたくなってきた。
しかしこの人は、もっと長大な作品を書かせたら化けるんじゃないだろうか、と思う。
短編も、このくらいの長編も下手というわけでは無いのだけれど、やっぱり少し「物足りない」のが「勿体ない」のです。
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