妖怪新紀行

2004年11月30日 読書
ISBN:4043525052 文庫 瀬川 ことび 角川書店 2004/03 ¥580

 妖怪ウォッチングを楽しむ、男二人のちょっぴり切ない妖怪ストーリー。

 再読しました。
 とんでもなく面白いのだけれど、それを言葉で説明すればするほど、うさんくさくなる本書。
 ふとした切っ掛けで見えてしまえば、妖怪は至る所にいるんだ、と言う妖怪マニア鳥飼の言葉を、最後にはちょっと信じてもいい気がしてきます。

 それで、妖怪の存在にふとした切っ掛けで気づいてしまった鳥飼の友人は、彼にまきこまれるように、妖怪の世界へはまっていきます。
 就職難で働き口が無く、気力もない彼はしかし、妖怪と、鳥飼と関わる事で少しずつ変わっていくのです。
 変な話、妖怪ストーリーなのに人間の再生までカバーしているから、面白い。
 しかも妖怪とのラブストーリーまであるのだから訳が分からない。
 ほら、うさんくさくなってきた。

 純粋な人間というのは、小説の中では輝けますね。
 鳥飼という男が、私はとんでもなく好きです。それはもう、歴代漫画を含め好きなキャラクタをランキングするならば、堂々三位くらいですね。
「妖怪はロマンだ」とてらいもなく言ってのける彼。
 妖怪を見つけると夢中になって目先の事がまるで見えなくなる彼。
 時代錯誤の風貌で、長髪黒縁眼鏡。そんな描写も気になりません。

 そんなこんなで、角川ホラー文庫の中でも異質な瀬川氏の著書を、お楽しみください。

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