誰か ----Somebody

2004年11月24日 読書
ISBN:4408534498 単行本 宮部 みゆき 実業之日本社 2003/11/13 ¥1,600

 今多コンツェルン会長のお抱え運転手が、自転車に轢かれ亡くなった。
 会長の娘婿である杉村三郎はある日、運転手の娘達から父親の自伝執筆の編集を手伝って欲しいと頼まれる。

 宮部みゆきさんが、本を出せば売れる作家さんである事が、私は凄く嬉しい。
 読むたびにどこか浄化されて、しかし人間ってものの複雑さを見る気がする。人間が書けて居るとは、これだな。

 良い人にあてられ、悪い人を嫌悪する。
 どこに基準があるか知らないけれど、この読後感は独特。

 今回の「誰か」は、比較的に「悪」が少ない。
 あえてそう書いているように見える。だからこそ、あの終わり方が生きてくるのだなあ、と思う。
 素晴らしい。が、手を叩いて「面白い!」と絶賛するわけでなく、何というのか老後の楽しみ的な面白さである。
 渋い。シブチ。

 三郎さんの奥さんを、僕にください。

-追記-

 しかし、本当に自転車のマナーが悪いわな。
 ベルをならしまくる老人も、走り抜ける若者も、どうにかならないもんか。
 だいたい、ベルが嫌いだ。何であんなに攻撃的だ?

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