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2004年11月2日 読書
ISBN:4087747212 単行本 古川 日出男 集英社 2004/10 ¥1,365

 神様にふれるたくさんの方法。
 19の掌編。

 帯の、翻訳者柴田元幸氏の文句が良い。
「凄い書き手。こんな作家が英語圏にいたら即、訳したい。」
 しかし、古川氏の「溜め」や、接続詞の妙をどうやって英語で表現できるのか、ちょっと謎だ。日本人に生まれて良かったと思う。
 でなければこの本を楽しめなかった、と思うだけでも。

 一編一編は一〇ページあるかないかの、ショートショート並の長さ。しかも文字が大きく印字してあるので、実際はもっと少ないのだろう。
 けれど、短編用の雰囲気ではなく、きちんと一つがその物語の世界観を持っているから凄い。
「台場国、建つ」なんか、長編のプロローグのようだけれど、それで完結してしまっているのが恐ろしい、とさえ思う。

 読後感は、不思議とアルバムを一枚聴き終えたような気分になった。
 文章のテンポ、一話の長さ。読み返すたびに、この読後感を狙って計算しているんじゃないか、とさえ思えてくる。

 長編に疲れたら、本を読むのに少し疲れたら、考えるのに疲れたら。
 そんな時に手に取りたい本。オススメ。

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