年賀状用プリンタ

2004年10月24日
 家には二台パソコンがあります。自分の自作と、家族用でノートパソコン。
 で、年賀状作りは毎年私が一任していました。
 今年に入り、さすがに三年も前のプリンタじゃ質が悪い、と言う事になり新たなプリンタを購入する事になりました。

 自作に取り付けるプリンタだが、しかし年賀状作りのため、と言う体があり、つまり金は親持ち。
 親指もそれは挙がります。

 そこは貧乏性。二万円台で良いのがあればな、と考えて電気屋へ到着。

 早速店員のにいちゃんに希望を言います。
「モノクロ印刷が早くて(本作りのために)、自動両面印刷が出来て(本作りのために)、コストが安くて(インクは恐らく私が買うので)、写真も綺麗に印刷出来て(年賀状用)、二万円台のあります?」
 三年前の感覚で居た私は、むろん「冗談だけど」と思い、目の前のにいちゃんの困った顔が浮かびましたが、あっさりと「ありますよ」との事。

 話を聞くと、モノクロ印刷は安いレーザープリンタより早く(実際に見せてもらったが、とんでもない速度であった)、写真は拘りが無ければ五万の上位機種となんら変わらないし、自動両面印刷も出来るし、しかも給紙トレイまでついているというのだから即決しないわけにはいかない。
 ついでに、モノクロ印刷用だけのためのインクがあり、それは900円台で売っているという。良心的だ。

 実際家に持ち帰り、印刷してみる。
 まず驚いたのが、その動作の静かさ。私の驚きの声の方が五月蠅かった。
 そして糞早い、糞綺麗、とCMの女は言いたいのだろう、というくらいのものが出てくるのである。
 光沢紙に写真を印刷してみても、面白いくらい普通の写真と変わらない物が出てくる。こりゃ写真屋商売あがったりである。

 さっそく自分の小説をプリントアウトしてみる。
 今までプリンタの中に住んでいたコロボックル達が(未だにプリンタの原理がわからない)、恐らく五〇倍ほどに増殖したのではないか、というくらいに早い。
 なにやら、おかしな機能までついていて、自動的に両面印刷をして冊子を作れるようになっていた。ホッチキスで留めればできあがりである。よくわからないが、ガッツポーズを決める。

 さて、しかし一通り機能を味わうとすることは特にないのだ。
 祭りの後の寂しさとでも言うのか、ぼーっとフォルダを整理していると、裸体を見つける。高尚な裸身を晒した婦女子が、こちらを見ているのである。

 何気なく、印刷を選ぶ。
 排出。

 普通紙なのに、こんな綺麗に出るなんて……毛の一本一本のねじ――具合までが!
 感動するが、破いて捨てる。

 溜息を吐き、電源を落とした。

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