私はついに男の快楽を超えた

　ベルトのバックルがあるじゃないですか。
　あれって、金属ですよね。

　で、私金属アレルギーなんです。
　作業着に着て行ってるジーンズが、それはもうぶかぶかのもっさりしたやつなんですが、ベルトをするとちょうど前の方で生地があまり、座るとバックルが素肌の腹にあたるわけです。

　アレルギー反応！

　体が異常を示し、なにやら荒れます。
　ほら、ピアスの穴から汁が出る様子を思い浮かべてください。それの平面版。汚いとか言うなー。同じ皮膚じゃないか。

　最近はそれも治ってきたんですが（座る前に腹までジーンズを手繰りあげるという暴挙）ちょっとそれが残念でもあるんです。

　仕事が終わると工場油の匂いばっかする人間になるので、風呂へ行きます。
　五時くらいに風呂が沸いてるはずもなく、シャワーですませるんですが、48度ぐらいに温度を設定して、そのアレルギー反応を示したところに熱いお湯をシャワー！　っと。

　嗚呼……

　腰が引けて、声が出るくらいに気持ちいい。
　かゆいところを、素晴らしいジャストな感じで、延々掻き続けている快楽が、二〇倍くらいに増幅されたような。
　汚い話、延々射精を続けているような。

　良く女性は男の何倍も云々とうさんくさい知識として入ってきますが、この瞬間だけ私は女、またはナチュラルトリップ状態。

　嗚呼……

　で、一つ小説を思いつく。
　時は西暦20××年。ある風俗店が――

　まあ、この後は説明しなくても何となくわかるであろうから、言わない。

　ところで、バックルが鉄ではないベルトってあるんでしょうか？
　シルバーって、金属アレルギーも大丈夫なんだっけ……？　それならあてはあるけれど。
　姉曰く、オーバーオールを着ろとの事。
　そんな、デブキャラまっしぐらな。