ばとるざ外人

2004年7月10日
 チャットソフトに、外人が突然入ってきたので、いつも通り適当に応答していました。

B(仮)live is good in tokyo?

 第一声。
 中学生時代、英語を1時間受講しただけの私にとって不可能な感じです。
 でも何となく「今、東京は良い具合かい?」みたいな物だと解釈。

 もちろん東京に住んでいないので「no」と答える。
 その後、何か悪戯の虫が騒いで
「musiro fukuoka ga atui」(むしろ、福岡が熱い)と答えてみる。
 福岡に意味はない。

 B(仮)は続いて二度連続で「why?」を繰り返す。
 そりゃ、そうだろうなあ、と思い「i cant spaek engllish!」(おれ、英語無理だってばよ)と答える。
 ちなみに、スペルをかなり間違えていたのに気づき「my english level」(これが俺の英語の実力さ)と追い打ちをかけてみる。
 大抵の外人はこれで消えるのだが、この外人はしぶとく居続けるので、不思議と頭に来て「you please japanese」(だいたい、英語圏の人間は怠惰に過ぎる。日本人に話しかけるのに、頭から英語とはどういう事だ。日本語を勉強しようとか、そういう意気は無いんですか)と言ってみる。

 B(仮) i’m from hungary
      i can’t speak japanese :D

 と返ってきた。
 この時点で、意志の疎通が行えた事が少し嬉しくなる。
 おそらく最後の笑い顔は、こちらの皮肉を感じ取っての事だと解釈。
 続けてハンガリー人の彼は言う。

 B(仮) how old are you?

 友人のR氏に、なんと読むんですか、とヘルプを求める。
「何歳かきいてんじゃねーの」との事。
 この流れで、なんで年齢を訊いてくるんだろう、と思いつつ、適当にテンキーを押してみる(一応年齢も個人情報だから)
「9182」(9182歳なんだぜ、ジョークだけどな!)
 すると、

 B(仮) good age

 良いねえ! みたいな意味だと解釈。
 この外人ノリが良い。ここらへんで、かなり好意的になる。
「thx!」(ありがとよ!)と返しておくと、

 B(仮) i think 22

 との返事。thinkは「考える」だよなあ……。iは「私」だから、私は自分が22歳だと考える?
 ん?
 R氏にヘルプ。
「お前の年齢が22歳だと思うんだが、っていってんじゃねーの」
 なるほど。私はあなたが22歳だと考えている、か。
「non!」(違うよ)とすんなり答える。
 続いてB(仮)氏は「25?」と訊いてくるので、適当に「truth 12」(本当は12歳なんだ)と打っておく。
 英語のレベルで言えば、嘘じゃない。
 いやでも、最近の小学生をなめちゃいけないか。

 その後、立て続けにB(仮)は喋る。

 B(仮)have you ever ben in london?
     or something good place?

 こいつ、俺の英語レベルを見誤ってやがる!
 とりあえずエキサイト翻訳に放り込んでみると。
あなたを常に招待する、londonの中の峰?
あるいはよいもの、場所?
 余計に意味がわからなくなった。
「あなたを招待する」という部分と「ロンドン」が疑問系になっている辺りが頭の中で噛み合わない。
 R氏も翻訳機に突っ込み、この意味不明文章に頭を悩ませる。

 ネットゲーで培った英語力を、ここで発揮し「hmm」(うむう)と唸ってみる。
 英語が読めない、となんと伝えようか、頭を捻る。ここまでで、そんなにこの外人が嫌な奴ではないはずだ、と漠然とした思いがあった。
 おかしな翻訳だが「あなたを招待します」ともあるし。

 そこで思いついたのが、ビートマニアのタイミングを外すときに出る「poor」という文字。
 なにか、悪い、とか駄目、とかそんな意味だった気がするので「Iam very poor english sorry」(ごめん。俺本当に英語力が駄目でさ)と言ってみる。
 すると、

 B(仮) vacation
      summer
      holyday
      freetime

 なんて、丁寧に単語単語で状況を説明しようとしてくれている。
 こいつ、良いやつだ。
 でも、意味がわからない。

 しかし、なんとなく「夏休み」っぽい事はわかる。
 本当に何となくだけれど、上の理解不能な文章も含めて考えると「俺はロンドンの峰の辺りに、夏休みの暇を利用して避暑に来てるんだけど、自由な時間が出来て暇なんだよ」
 つまり「暇だからおまえ、こないか?」みたいな冗談だったんじゃないか、と理解不能だった文章が見えてきた、気がする。絶対違いそうだけれど。

 何となくでも、文章が理解出来て、テンションが上がる。
「oh! summer vacation!」(うお! 夏休みなの!?)とおどけてみせるが、なんと返事はなし。
 何かもっとリアクションが欲しいのだ、と考えて、無い頭をひねる。ここらで、日本の情報もいれておくべきか、と結論が出る。
「japan same little summer holyday!」(日本ももうすぐ夏休みなんだぜ。そっちと同じだな!)と、よくわからない英語を使う。

 B(仮) i want to go to japan

 おお。日本に来るってか!
 と意気揚々としてると、今までの成り行きを見守っていたR氏が「日本に行きたいと思ってる、じゃねーの」と冷静な判断。
 なるほど。ここは日本の良いところを紹介するチャンスじゃないか。
 しかし、その後すぐに彼は言う。

 B(仮) have you mobile phone?

 まて!
 英語のわからない俺でも、なんとなくわかる。
「携帯持ってない?」なんて訊くって事は、番号を訊くつもりか。
 何を話せと言うんだ。出会って数十分の外人と。
 さすがに焦り、R氏に相談。
「It does not have」が「持っていない」という意味らしい。エキサイト翻訳様々である。
 早速そう発言してみる。初めて、英語らしい英語を言うわけだ。
 そして、

 B(仮) can you call me?

 FUCK!
 何が電話をかけてくれだ。というか、何が目的なんだ。
 さすがに気持ち悪くなって、はね除けるようにエキサイトで「無理」という単語を調べて「Unreasonableness!」と言っておく。
 なんとなく悲しくなり「sorry」と付け加えて。

 それから発言無く、十分ほどが過ぎる。

 R氏がぼそっと発言。
「B(仮)の情報みてみたんだけどさ、俺たちの居るチャンネル以外に入ってるチャンネルの名前がぶっそうなんだけど」
 チャットソフトには「チャンネル」という概念があり、同じチャンネルに入った人間同士で、喋れるというわけである。チャンネルにはそれぞれ名前が割り振られている。
 で、B(仮)氏がどのチャンネルに入っているか調べてみると

 cracker
 suck

 うわ。
 他にも、映画で凄い無理矢理な翻訳にされそうなスラングのチャンネルがぎっしり。

 最初の「Cracker」に怖くなって、へっぴりごしになりながら私は「Very sorry」と、B(仮)氏をチャンネルからキック(追い出し)

 弄ばれた。

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