暗いところで待ち合わせ
2004年5月19日 読書
ISBN:4344402146 文庫 乙一 幻冬舎 2002/04 ¥520
盲目の少女と、その少女の家に侵入した男との微妙な関係を描く。
なんて捻くれたお話だろう。
元々は「死にぞこないの青」の一エピソードであったらしいけれど、盲目の人に知られず同居する、という発想自体が考えつきそうで考えつかない面白さ。
それだけでこのお話は「勝ち」です。
少女と男と視点を行き来して、少しずつ互いの存在を確認し合っていく描写は、ある意味で恋愛小説なのですが、ここまで倒錯的な恋愛も無いなあ、ともはや感心してしまう。
でも、それが嫌ではないから、また面白い。
乙一さんのお話はこの「気味が悪いけど、嫌じゃない」感じの、少女漫画で言う「好きなのに嫌い」みたいなむず痒さが素敵です。
二人の関係に興味を全部持って行かれて、そのうち終盤にいたり、まるで考えていなかった方向へ物語が転がって、「やられた」と呟いてしまうのです。
意外と珍しい、一粒で二度美味しい小説ですよ、これは。
安くて手頃な量で面白いとくれば、読まないわけにはいきません。
盲目の少女と、その少女の家に侵入した男との微妙な関係を描く。
なんて捻くれたお話だろう。
元々は「死にぞこないの青」の一エピソードであったらしいけれど、盲目の人に知られず同居する、という発想自体が考えつきそうで考えつかない面白さ。
それだけでこのお話は「勝ち」です。
少女と男と視点を行き来して、少しずつ互いの存在を確認し合っていく描写は、ある意味で恋愛小説なのですが、ここまで倒錯的な恋愛も無いなあ、ともはや感心してしまう。
でも、それが嫌ではないから、また面白い。
乙一さんのお話はこの「気味が悪いけど、嫌じゃない」感じの、少女漫画で言う「好きなのに嫌い」みたいなむず痒さが素敵です。
二人の関係に興味を全部持って行かれて、そのうち終盤にいたり、まるで考えていなかった方向へ物語が転がって、「やられた」と呟いてしまうのです。
意外と珍しい、一粒で二度美味しい小説ですよ、これは。
安くて手頃な量で面白いとくれば、読まないわけにはいきません。
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