コンセントをきちんとしたものに、アンプをしっかりした重い物に、スピーカーの位置はここだ、ケーブルの間に物を置かない等々、オーディオ機器は、こだわり始めるときりがない世界。
 でも、なぜそんな面倒くさい世界に魅力を感じる人が多くいるのか。
 それはやっぱり「反応」が面白いからなんだと思うんですよ。
 自己満足、ではなく「反応」というところが、ポイント。

 ケーブルを変えれば音が良くなり、位置を変えればまた音の感じが変わり、コンセントを変えたらクリアになる。
 僅かながらも、これほど素直に反応がある世界も珍しいと思いませんか?
 そして、反応があればあるほど、飽きる事はないでしょう。

 人間の頭も、そんなオーディオの世界と似通っていると思うのですよ。

 たとえば数年前の私にとって、太宰治の「人間失格」も武者小路実篤集も、面白いものに思えなかった。
 けれど、いろいろな事を経験して、いろいろな事を考えて、今読み返してみると、まるで頭の反応が違うんです。
 これは面白い。これは良い。なんてすばらしい。
 そんなふうに頭が文字を認識しだしたのです。

 文字は変わらずそこに居るのにですよ。頭がかわっただけで、まるで別物です。
 CDという同じメディアを、どれだけいい音で再生するか、というオーディオ機器にも同じ事が言えませんか?

 真空管のアナログな音が好きな人もいれば、デジタルなAVアンプが好きな人もいる。
 人間も、そんなふうに割り切れれば、面白いのになあ。
 私の頭は、なんだかアナログな気がします。切り替えが遅いもの。
 暖かみのある音を出せれば良いのだけれど。

 ちなみに私はオーディオマニアではありません。いい音で聞きたいとは思いますが、努力や環境で変わる頭とは違い、オーディオのほうはべらぼうなぼったくり屋さんですから。

 そういえば、スピーカーは、聞けば聞くほど馴染んでくると言いますね。エージングだったかな。
 不思議と、これも人間にあてはまったりしないでしょうか。

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