ISBN:4334073131 単行本(ソフトカバー) 宮部 みゆき 光文社 1998/10 ¥860

 パイロキネシス(念力発火能力)を持つ女は「悪」を討つ。

 残虐非道な悪事をはたらく人間、それを滅する事を使命とした能力者。
 まだ上巻ですが、面白いです。

 マスコミに出ないだけで、凄惨な事件はごまんと存在するでしょう。
 そういう事をする人間は、死んでしまえばいいと思ったりもします。

 もし、自分に主人公と同じような能力があったら、同じ事をするかもしれない。なんて読書中何度も考えました。
 道徳心をどこにおくのか、強い能力(位置、立場、権力)を持った時点で、常人とは違うはずです。歴史がそれを語っているでしょう。
 人の死ほど客観的な物は無いですし、それが「死んで欲しい人間」に対するものなら、一層です。しかも誰にもばれない、咎められないなら。むしろその「死」で誰かが救われるなら。
 それは善行ですらあるかもしれない。

 ぞっとしないけれど、読書中何度も悪が死んでいく様を見ていて「気持ちいい」と感じました。
 ただ、「死」がそんな簡単な物なのか、と疑問がよぎらないといえば、嘘になります。この不可思議なもやもやは何だろう。
 下巻で、おそらくそれが説明されるような気がします。宮部さんの本は、そういうところで安心して読めるから好きです。

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