森博嗣さんの著書に「女王の百年密室」と「迷宮百年の睡魔」というのがあります。
 この本は、なかなか面白いです。
 内容は知らないんですが、なんか複雑で面白いんです。

 まず、幻冬舎からハードカバーで「女王の百年密室」が出版されました。
 2000年7月の事です。
 そしてその約三年後の2003年6月。平均的なペースでこの本は文庫化されました。もちろん幻冬舎から。
 しかしその数ヶ月後、2004年2月の事です。
 なぜか「新潮社」からこの本が文庫化されました。

 数日後、謎は氷解します。
 2003年6月。つまり幻冬舎で「女王百年」が文庫化されたその月、続編にあたる「迷宮百年の睡魔」が「新潮社」からハードカバーで発売されていました。

 これはいったいどういう事か!
 シリーズを出版する権利なんてものがあるのかわかりませんが、順当にいけば、幻冬舎から出るべきシリーズです。
 しかし、どういうわけか、新潮社にこのシリーズがうつったわけですね。
 私はそれを知って「なるほど」と手を打ちました。シリーズでも出版社がかわるなんて、まるでトライガンみたいだ、と笑いさえしました。

 だがまだ終わりません。
 なんと、そのたった九ヶ月後! 幻冬舎から「迷宮百年の睡魔」が新書化されたではありませんか!
 たった九ヶ月での新書落ち! しかも違う出版社から。

 整理しましょう。

 2000年7月→女王百年発売(幻冬舎
 2003年6月→女王百年文庫化(幻冬舎
 2003年6月→迷宮睡魔発売(新潮社
 2004年2月→女王百年文庫化(新潮社
 2004年3月→迷宮睡魔新書落ち(幻冬舎

 ちなみに、幻冬舎から漫画化されて出てたりします。

 このまま行くと、2006年の5月に新潮社から文庫化されて、このシリーズは二つしか出ていないにもかかわらず六冊も存在する事に。

 なんて面白い本だろう。
 売れっ子作家ならではの複雑な事情なんでしょうね。

 推測すると、幻冬舎から書き下ろしの依頼が来て、女王百年が完成。出版。
 次に、新潮社から書き下ろしの依頼が来て、続編を書いた。
 互いにこのシリーズの権利を主張しあった結果が、こうなのでは。
 異常に早い「迷宮睡魔」の新書落ちから見ると、なかなか最初に書き下ろしを取り付けた幻冬舎が優勢か。

 上の推測は、全部妄想ですが。

 別会社から文庫化、または新刊落ちする、というのは良く聞く話なんですけどね。
 バトルロワイヤルとか、リアル鬼ごっことか。

 島田荘司さんが、原書房で書いている御手洗の話も講談社の新書に落ちますね。

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