パレード

2004年4月30日 読書
ISBN:4344405153 文庫 吉田 修一 幻冬舎 2004/04 ¥560

 冴えない大学生。
 芸能人と付き合っている女。
 自称イラストレーターの女。
 男娼の男。
 映画配給会社勤務の男。
 接点のなさそうなこの五人が、一つ屋根の下「上辺だけの付き合い」を続けていく。

 そういうお話。
 吉田修一さんというと「パークライフ」で芥川賞を受賞した作家さんで、著書はあまり多くありません。
 ので、全部読んでは見ているのですが、良作あれど、傑作無しという印象でした。
 でも、この「パレード」は傑作を飛び越え名作。
 なぜこの本が文学史に名を残さぬのだろう!
 と今声を大にして叫びたい。

 川上弘美さんが、まさに私の心境を解説で書いてくださっているので、今更何を言う事も無いのですが……。
 ただ、やはり「怖い」です。この本はとんでもなく怖くて、しかも「愛しい」です。
 この本の世界から抜け出せなくなるかと思いました。

 涙が出ない打ち震える感動、というのを、初めて覚えました。
 発売はだいぶ前だけれど、今のところ今年最大の収穫。

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