アヒルと鴨のコインロッカー(ミステリフロンティア1)
2004年4月28日 読書
ISBN:4488017002 単行本 伊坂 幸太郎 東京創元社 2003/11/20 ¥1,575
「一緒に本屋を襲わないか?」
引っ越して初めて会話を交わした悪魔的な男が、初対面の僕にそう話しかけてきた。
危うく数十万円の教材を買わされそうになった僕でも、さすがに書店強盗はわけが違う。
しかし、あれやこれやで承諾してしまうのだった。
一方で、動物を虐殺する若者グループを目撃してしまった「わたし」は、悪意に巻き込まれていく。
現在である「僕」と過去である「わたし」の物語が、徐々に絡まり、最後に一つの像が浮かび上がる。
ミステリは、自動のパズルのよう。もちろん、そんな感動を覚える傑作は少ないのだけれど。
魅力的な登場人物達が繰り広げる物語は、一見して明るい物だけど、根底にある泥臭さが徐々に鼻に衝いてくる。
軽いテンポで読ませてくれる文章だけど、読後感は途方もなく重い。
とはいえ、嫌なものでもなく、ある種、美しさもある。この矛盾も本書の魅力。
この物語に出る「悪」は、殺人鬼でも異常者でも無い。ただ、悪意を持った若い人間。だけど、それがとても怖い。
「一緒に本屋を襲わないか?」
引っ越して初めて会話を交わした悪魔的な男が、初対面の僕にそう話しかけてきた。
危うく数十万円の教材を買わされそうになった僕でも、さすがに書店強盗はわけが違う。
しかし、あれやこれやで承諾してしまうのだった。
一方で、動物を虐殺する若者グループを目撃してしまった「わたし」は、悪意に巻き込まれていく。
現在である「僕」と過去である「わたし」の物語が、徐々に絡まり、最後に一つの像が浮かび上がる。
ミステリは、自動のパズルのよう。もちろん、そんな感動を覚える傑作は少ないのだけれど。
魅力的な登場人物達が繰り広げる物語は、一見して明るい物だけど、根底にある泥臭さが徐々に鼻に衝いてくる。
軽いテンポで読ませてくれる文章だけど、読後感は途方もなく重い。
とはいえ、嫌なものでもなく、ある種、美しさもある。この矛盾も本書の魅力。
この物語に出る「悪」は、殺人鬼でも異常者でも無い。ただ、悪意を持った若い人間。だけど、それがとても怖い。
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